“ユニバーサルな社会的包摂は、市場の暴走にたいする歯止めであるという以上に、市場経済そのものの存立を可能にする条件なのである。”——— p.5
私たちの生活は、政府による社会政策や、家族、企業などのコミュニティ、非営利協同組織などによる様々な制度や慣行によって支えられている。本書は、日本の生活保障システ ムが、男性稼ぎ主を想定した一元的なものであることからくる様々な排除について指摘する。社会的包摂の実現は、社会 の中長期的な成長の土台にもなる。この社会の現状をきめ細かく確認しつつ、どんな人にでも出番があり、やり直しができるユニバーサルな社会を構想する一書。
信和
BOOK'S SELECTION
人間の安全保障
アマルティア・セン 著; 東郷えりか 訳
集英社新書
2006年
“この考え方は、国家の安全保障の概念とは対照的です。” ——— p.36
こんにち、私たちが議論し理解しようとしてきた安全保障は、 はたして私たちの生活に根ざしているものだと言えただろうか。 人々の人権や生命、幸福のための安全保障の本質が、これまでの論議のなかではおざなりになっていたと、本書を読み進めていく中で感じざるを得ない。平等な基礎教育の必要性、他者や文化に対する寛容さを、いまこそあらためて社会に求めてい く必要があるのではないだろうか。ぜひ現日本国憲法の理念とも照らし合わせて読み進めて欲しい。
ゆいぽよ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。