“夢想であると嘲られ、蔑まれた議論が「現実」の問題点を明らかにし、「現実」の立っている基盤がはらむ問題点を掘り出してきたのではなかったろうか。”——— pp.97-98
いくつもの流れを捉え、線として9条を見る。9条に現れている平和思想は戦後に生まれたポッと出の理想なんかではない。いくつもの思想と運動と戦争で失われた命への反省のなかから、具現化された結晶なのだ。そういった思想がとてももろいことを歴史が証明していることに気付くのと同時に、 その思想の緻密さとそれを育んだ人々の努力にも気付く。そしてまた問われる。どのように私たちがこの思想を発展させ、 後に生きる人に引き継ぐのか。
いたる
BOOK'S SELECTION
福島の原発事故をめぐって — いくつか学び考えたこと
山本義隆 著
みすず書房
2011年
“福島原発の大事故は、自然にたいして人間が上位に立ったというガリレオやベーコンやデカルトの増長、そして科学技術は万能という十九世紀の幻想を打ち砕いた。” ——— p.91
福島の第一原子力発電所が大事故を発生させた時、当時の政治家や電力会社は口々に「想定外」と発言した。当然、原発は人間の扱える限界、つまり「想定」を超えている。放射性廃棄物は何世代にも渡って負の財産を残し、事故が起きればその周辺の土地は使いものにならなくなる。それにも関わらず、原子力=「大国になるための条件」という幻想を抱きながら、原発に対する疑問を許さない空気を作り上げてきた。著者はそれを「原発ファシズム」であると批判する。
まっしゅ
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