“ということで、結論はこうだ。憲法を燃やすことは、 国家を燃やすことである。” ——— p.125
「憲法守れ!」―こんなことを叫ばなければならない日がくるなんて、誰が想像しただろう。政府が行った解釈改憲は、「法的認識」を越えたものだ。今や市民は、立憲主義を蔑ろにして暴走する権力に歯止めをかける理性的な人間として、 教養を求められるようになった。憲法学的見地からの著者の指摘の数々は、憲法を骨抜きにした法案に危うさを覚えて集った人々の、支えにも、武器にもなり得るだろう。 私たちが強くなれば、きっとまだ間に合う。
しおり
BOOK'S SELECTION
戦争は女の顔をしていない
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著; 三浦みどり 訳
岩波現代文庫
2016年
“伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。” ——— p.480
第二次世界大戦時、ソ連では百万人を超える女性が従軍し、 後方部隊のみならず兵士として武器を手に闘った。しかし戦後、彼女たちは黙秘した。理屈や祖国の英雄的歴史として戦 争を語る男たちと違い、女たちは個人的で内的な体験や記憶として戦争を語る。そしてそれは、聞くに値しないものとさ れてきた。著者は、女たちの語る生の声を術として、戦争の暗闇の中に人間の本性を掴みとり、突きつけた。2015 年、 その仕事はノーベル文学賞を与えられた。
かりん
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