“ということで、結論はこうだ。憲法を燃やすことは、 国家を燃やすことである。” ——— p.125
「憲法守れ!」―こんなことを叫ばなければならない日がくるなんて、誰が想像しただろう。政府が行った解釈改憲は、「法的認識」を越えたものだ。今や市民は、立憲主義を蔑ろにして暴走する権力に歯止めをかける理性的な人間として、 教養を求められるようになった。憲法学的見地からの著者の指摘の数々は、憲法を骨抜きにした法案に危うさを覚えて集った人々の、支えにも、武器にもなり得るだろう。 私たちが強くなれば、きっとまだ間に合う。
しおり
BOOK'S SELECTION
自由
齋藤純一 著
岩波書店
2005年
“ 他者と彼/彼女によって生きられる「世界」は ユニーク(他にないもの)であり、その「世界」は私たちが共有する世界から失われてはならない。” ——— p.119
「自由である」とはどういうことなのか。本書は、自由を個人 的な問題ではなく、他者とのにある問題だと位置づける。 まず近代における自由の議論から遡り、現代において自由がどう論じられているのかを説く。そして、自由と安全、自由と公共性など、現代において衝突、混合する概念を検証する。末尾には基本文献の紹介もあり、あなたが掘り下げたいことを深め る用意もできている。名ばかりの「自由」がはびこるこの社会 で、自由について改めて考えるための一冊。
元山仁士郎
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