“民主主義は、単に多数者支配の政治を意味せず、実をともなった立憲民主主義でなければならないのである。” ——— p.17
行間を読む。日本国憲法の行間を。憲法は国民の権利であり、その権利の在り方は憲法の条文とその行間の読み方で決まってくる。そして、行間の読み方を権力が時代を理由に思うままに変えていくことは出来ない。だから、「解釈改憲」 反対の声が全国に溢れた。もう一度、土台から憲法を捉える。 憲法の原理と用いられ方、積み重ねられてきた読み方を学ぶ ことで。そして、自分の言葉でそれらを語り直し、あるべき 権利を自分のものとして守っていく。
いたる
BOOK'S SELECTION
物騒なフィクション — 起源の分有をめぐって
フェティ・ベンスラマ著; 西谷修訳・解説
筑摩書房
1994年
“そこかしこで人はこぞって声を張り上げた。だって、たかがフィクションではないか、と。” ——— p.34
チュニジア出身の精神科医で、現在パリⅦ大学教授の著者によってこの本が書かれたのは1994年。しかし2016年の今、ここに記された問題は一切古くなっていない。単なる「文学的フィクション」や「表現の自由」がなぜイスラームと衝突するのか。「西洋VSイスラーム」という単純な図式ではなく、両者が拠って立つ「テクスト」という概念に着目して描かれるこの本は、シャルリ・エブドを嚆矢とする「テロ」事件、そして「原理主義」そのものを考えるために今こそ復刊され、読まれるべき本だ。
JGJ
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