“不満の焦点を問題の本当の焦点に向けなおすことが必要だ。世界中で地域社会を破壊し、不安 定な状態にしているのは、大企業と独占的な利 潤追求行動なのである。”——— p.178
デモクラシーの時代は終わった。今や多くの先進民主主義諸国で選挙システムは形骸化し、実質的には大企業が政治を動かし、その結果、経済格差の拡大と貧困化が進行している。 悲観的でも何でもない、筆者が描くのはこの社会の確かなリアルだ。本書後半では、そんなリアルに抗するための政治プロジェクトにまで踏み込んで議論が展開される。冷静に現状を把握し、現実的な一手を打つ。その積み重ねこそが、デモ クラシーを再起動させる。
塩田潤
BOOK'S SELECTION
人間の安全保障
アマルティア・セン 著; 東郷えりか 訳
集英社新書
2006年
“この考え方は、国家の安全保障の概念とは対照的です。” ——— p.36
こんにち、私たちが議論し理解しようとしてきた安全保障は、 はたして私たちの生活に根ざしているものだと言えただろうか。 人々の人権や生命、幸福のための安全保障の本質が、これまでの論議のなかではおざなりになっていたと、本書を読み進めていく中で感じざるを得ない。平等な基礎教育の必要性、他者や文化に対する寛容さを、いまこそあらためて社会に求めてい く必要があるのではないだろうか。ぜひ現日本国憲法の理念とも照らし合わせて読み進めて欲しい。
ゆいぽよ
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