“不満の焦点を問題の本当の焦点に向けなおすことが必要だ。世界中で地域社会を破壊し、不安 定な状態にしているのは、大企業と独占的な利 潤追求行動なのである。”——— p.178
デモクラシーの時代は終わった。今や多くの先進民主主義諸国で選挙システムは形骸化し、実質的には大企業が政治を動かし、その結果、経済格差の拡大と貧困化が進行している。 悲観的でも何でもない、筆者が描くのはこの社会の確かなリアルだ。本書後半では、そんなリアルに抗するための政治プロジェクトにまで踏み込んで議論が展開される。冷静に現状を把握し、現実的な一手を打つ。その積み重ねこそが、デモ クラシーを再起動させる。
塩田潤
BOOK'S SELECTION
チポリーノの冒険
ジャンニ・ロダーリ 作; 杉浦明平 訳
岩波少年文庫
2010年
“「人間は、できるだけのことをしなくてはなりません。」と、クモはつつましく答えました。” ——— p.282
野菜と果物の国に暮らす、タマネギぼうやのチポリーノが、無実の罪で投獄された父親を助け出す冒険談。それはファシズムに抵抗し生き抜いた、イタリア市民の物語でもある。暴力と不正に満ちた理不尽な社会において、人間としてねじまがらないで生きるとはどういうことか。誰がファシズムを容認するのか。第二次世界大戦中、ファシズムに抵抗するレジスタンス運動に参加した作者は、この愉快な物語に、人間の持つ力と希望、そして課題を描いてみせた。
かりん
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