“あなたは、誰と一緒に < 私たち > を形成していますか。”——— p.X
現代では社会関係の唯一の起点が〈私〉になっている。 〈私〉は一人ひとりが強い自意識を持つ。しかし、社会全体としてみると似通っていて、誰一人特別な〈私〉はいない。 どこかで不安や不満を抱えている〈私〉と、路上で声をあげ る〈私〉。立場や理想の違いを越えて〈私〉同士が出会い、 〈私たち〉の輪を広げる努力をすること。求められる民主主義のかたち。政治哲学の研究者である著者の、〈私〉と政治 を結びつける新しい回路を模索する一冊。
藤木耀
BOOK'S SELECTION
私には夢がある — M・L・キング説教・講演集
マーティン・ルーサー・キング著; クレイボーン・カーソン, クリス・シェパード 編; 梶原寿 監訳
新教出版社
2003年
“私には夢がある。 /かつての奴隷の子孫とかつての奴隷主の子孫が、兄弟愛のテーブルに仲良く座ることができるようになるという夢が。” ——— p.103
本書は「夢」の話だ。 キングのスピーチは「DREAM」であって「PLAN」ではない。 二言目には「対案をだせ」と言うこの国では伝わりにくいが、この夢は、アメリカの夢、人類の夢となった。 過去の人々には 「夢」だったことが、次の世代の「現実」を作り、また「夢」を完成させるために引き継がれていく。 その繰り返しが歴史を作った。 未だ、世界中で差別は無くならない。 だが何度でも言おう。 「今日も、そして明日も、様々な困難や挫折に直面したとしても、それでもなおまだ、私には夢がある」
奥田愛基
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