“具体的な権利は抽象的な法から生命と力を受け取るだけでなく、抽象的な法にそのお返しをするのである。”——— p.80
個人的に「権利」は、「法律によって決められた抽象的なルール」というイメージだった。実体のない、空っぽな理念 だと。本書を読んだ。その実体なき権利感覚は、自分の生活 が侵害されて、ようやく身体に刻まれるのだと。他者の不当な介入への怒り、苦しみの感情がその兆候であると。そして、 理念は市民が現状を認識しようとする意思から初めて生まれるのだと。空虚な「権利」という言葉に価値を与えるのは、 紛れもなく当の僕自身だったのだと学んだ。
Dai
BOOK'S SELECTION
現代思想の教科書 — 世界を考える知の地平15章
石田英敬 著
ちくま学芸文庫
2010年
“私たちはどのようにして「自分自身の問い」として「自分がいま生きている世界」を問うことができるのか” ——— p.16
「現代思想」。とっつきにくそうな、何から読み始めればもわかりにくいその領域に、この本は最良の見取り図を与えてくれる。いま自分が生きるこの世界で、「私」の問いを考えるための地図を。過去に先人が考え残したことをとてもわかりやすく簡潔にまとめ、その上で今、考えるべきことの方向を示してくれている。 この世界で生きることは勿論混沌に満ちていて、わからないことばかりだ。それでも、「考えること」は世界に形を見つけ、まだ一歩進ませる力を与えてくれる。その、始まりの一冊。
JGJ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。