“二〇年以上前に「政治の自由化」として始まっ た新右派転換が、いつしか今日の「反自由の政治」 をもたらしたプロセスを解明することが本書の ねらいである。”——— p.26
憲法が蔑ろにされ、人々の生活が脅かされ、政府は民主的なプロセスを行使することさえ放棄している。2015年の夏何度も思った、「一体この国で何が起こっているのか」。本書はそのような問いに応えうるものの一つといえるだろう。 ここでは、この国の政治がかつて標榜した「政治の自由化」が、現在行われている「反自由の政治」を生み出してしまっ た経緯について、丹念に眺められている。絶望的なこの社会 のオルタナティブを考えるうえで、必読の書。
信和
BOOK'S SELECTION
ツァラトゥストラかく語りき
フリードリヒ・W・ニーチェ 著 ; 佐々木中 訳
河出文庫
2015年
“勇気を失うな。それが何だというのか。多くのことが、まだまだ可能なのだ。みずからを笑うことを学べ。笑ってしかるべきように。” ——— p.164
去年、2015年の8月、一番国会前に通いつめていた時期にこの新訳が出された。買ってから、夜に繰り返し読むことが多かった。ちゃんと読めている自信はないが、それでも強い力を受け取っていた。「未来の断片としての」私たちが、次に来る誰かのその「橋」になろうとすること。そうやって、今出来ることをやろうと思った。それはきっと、成功するとは限らない賭けになる。しかし、それに失敗したとしても、何度だってまた始めることが出来る。「これが生だったのか。よし、もう一度」、と。
JGJ
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