“二〇年以上前に「政治の自由化」として始まっ た新右派転換が、いつしか今日の「反自由の政治」 をもたらしたプロセスを解明することが本書の ねらいである。”——— p.26
憲法が蔑ろにされ、人々の生活が脅かされ、政府は民主的なプロセスを行使することさえ放棄している。2015年の夏何度も思った、「一体この国で何が起こっているのか」。本書はそのような問いに応えうるものの一つといえるだろう。 ここでは、この国の政治がかつて標榜した「政治の自由化」が、現在行われている「反自由の政治」を生み出してしまっ た経緯について、丹念に眺められている。絶望的なこの社会 のオルタナティブを考えるうえで、必読の書。
信和
BOOK'S SELECTION
アウシュヴィッツは終わらない — あるイタリア人生存者の考察
プリーモ・レーヴィ 著; 竹山博英 訳
朝日選書
1980年
“「なぜだ?」私は下手くそなドイツ語で尋ねた。「ここにはなぜなんて言葉はないんだ」男はこう答え、私を突き飛ばして中に押し込んだ。” ——— p.27
アウシュヴィッツには「なぜ?」という問いは存在しない。その応答である“reason”(理由=理性)も。 逆に言えば、 「なぜ?」という問いのないところに、アウシュヴィッツは生まれる。 その土壌はいまなお、完全に消え去ってはおらず、この社会の中にある。 われわれは、まずこのような悲惨があったことを真に受けよう。 そして、想像の及ぶ限り想像しよう。 人間が主体を奪われ、番号になってしまう前に、 「なぜ?」 という問いを発しなければならない。
UCD
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