“二〇年以上前に「政治の自由化」として始まっ た新右派転換が、いつしか今日の「反自由の政治」 をもたらしたプロセスを解明することが本書の ねらいである。”——— p.26
憲法が蔑ろにされ、人々の生活が脅かされ、政府は民主的なプロセスを行使することさえ放棄している。2015年の夏何度も思った、「一体この国で何が起こっているのか」。本書はそのような問いに応えうるものの一つといえるだろう。 ここでは、この国の政治がかつて標榜した「政治の自由化」が、現在行われている「反自由の政治」を生み出してしまっ た経緯について、丹念に眺められている。絶望的なこの社会 のオルタナティブを考えるうえで、必読の書。
信和
BOOK'S SELECTION
本当の戦争の話をしよう — 世界の「対立」を仕切る
伊勢﨑賢治 著
朝日出版社
2015年
“日本の援助は、警戒感を与えず「誠意」として根付いている。9条のおかげかどうか知らないけど、日本の人畜無害性みたいなもの、それをもう少しポジティブに利用できないかな” ——— p.340
伊勢﨑賢治さんは国連の職員として、紛争処理や武装解除に当たっていたという経験を持つ。この本ではそんな著者の経験 から、どのように武装解除や紛争処理はなされるのか、実際の状況はどのようなものか、国連やアメリカの現場での本音などがつまびらかに、平易な言葉で語られている。またその上で、 九条を保持し、唯一の被爆国である日本だからこそできる国際貢献の形が示されている。高校生に対しての講義録であるため 読みやすく、幅広い視点をも含んだ実の詰まった良著。
幸子
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。