“マジョリティーを動員しようとする気負いと自信が生じた途端に、その緊張感と距離感がなくなり、実は安倍は、次の一手を見失うのではないか。”——— p.54
本書は、安倍晋三や菅義偉、石破茂から岡田克也など、 「災後」という時代状況を生きる政治家たち25人に注目し た評論である。 著者はオーラル・ヒストリーの第一人者として名高く、そ の筆さばきはもちろん、文章の一つひとつを見れば、同時代 を生きる政治家を語ることの難しさがひしひしと伝わってく る。彼らもまた「人」なのだ。我々の政治を見る「眼力」を より複雑に、的確にしてくれる一冊。
古谷
BOOK'S SELECTION
本泥棒
マークース・ズーサック 著; 入江真佐子 訳
早川書房
2007年
“わたしは言葉を憎み、言葉を愛してきた。” ——— p.659
「言葉」で世界を征服しようとしたナチス政権下のドイツで、少女は「言葉」で尊厳を守ろうとする。 少女の家に匿われたユダヤの青年は、『我が闘争』を白く塗りつぶし、愛の物語を書き込む。 この人たちのことを私たちに語るのは、死神だ。連合軍がドイツの小さな町を空爆した日、少女と青年に尊厳と愛を教えた人々は殺された。 書かれた「言葉」も失われたが、死神が拾いあげたのだ。 この作品は、欧米で異例のロングセラーとなり、映画化もされている。
これつ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。