“マジョリティーを動員しようとする気負いと自信が生じた途端に、その緊張感と距離感がなくなり、実は安倍は、次の一手を見失うのではないか。”——— p.54
本書は、安倍晋三や菅義偉、石破茂から岡田克也など、 「災後」という時代状況を生きる政治家たち25人に注目し た評論である。 著者はオーラル・ヒストリーの第一人者として名高く、そ の筆さばきはもちろん、文章の一つひとつを見れば、同時代 を生きる政治家を語ることの難しさがひしひしと伝わってく る。彼らもまた「人」なのだ。我々の政治を見る「眼力」を より複雑に、的確にしてくれる一冊。
古谷
BOOK'S SELECTION
平和と安全保障
鈴木基史 著
東京大学出版会
2007年
“変化する状況の中で現代国際関係を理解しようとする者は、進取の気性に富み、精緻な観察法や思考法を身につけるように努力しなければならない。” ——— p.244
主要な安全保障理論の論理を詳しく解説し、実際の国際政治の諸問題におけるそれらの理論の妥当性と問題を考察した一冊。抑止理論・勢力均衡論、国際制度論、平和構築論、民主的平和論など多岐にわたる理論を扱っており、安全保障を考える上で知っておかなければならない最低限の知識を網羅している。21世紀に入ってから、日本を含む世界の平和をめぐる情勢は大きく変わっている。そうした世界を理解する上で、本書は多くの視点と知識を与えてくれる。 /ユリヤ
ユリヤ
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