“大衆運動のゆきすぎというものがもしあるとす れば、それを是正していく道はどういう道か。それは大衆をもっと大衆運動に習熟させる以外にない。”——— p.102
「戦後民主主義」とか何とか言われるけれど、少なくとも今の政治状況を考えるのならば、避けては通れない偉人が少なくと も一人はいる。丸山眞男。戦後の政治学をリードし、「夜店」 のなかで人々の政治的判断を説き、何より彼は日本政治思想史 のクラシックであった。 あれから71年が経ったけど、まだ何も古びちゃいない。日本 の思想に寄り添い、彼は民主主義を日本語で語った。民主主義 を私たちのものにする、そのための第一歩として。
SOB
BOOK'S SELECTION
人間の条件
ハンナ・アレント 著 ; 志水速雄 訳
ちくま学芸文
1994年
“そこで私が企てているのは大変単純なことである。すなわち、それは私たちが行っていることを考える以上のものではない。” ——— p.16
アレントは“thoughtlessness”(思考欠如)こそ現代の特徴だと言う。われわれはいったいなにもので、いつ、どこで、なにをしているのかを知らないし、知ろうともしない。知りたくもないから。だからわれわれは、知らない間に、なにか最悪のことに手を貸してしまっているのかもしれない。このような思考の欠如は何を生んだか。アイヒマンを、アウシュヴィツを、大量虐殺を生んだ。自らを知ろうとすることは、哲学は、役に立たないのか? 否、それは最悪の事態を回避するのに役立つのだ。
UCD
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