“この本をどうしても出したかった理由は、自分たちみたいにたった数人で、僕らの知らない街で何かを始めようとしている、ほかならぬ「あなた」に読んでほしかったからだ。”——— p.5
社会を変えたくても、自分ができることでなければ、自分のやることでもない。 社会に不安があっても、受け流せばいい。2015年の夏、 安保法制にNOと叫んだ若者 — SEALDsは、この閉塞感を破った。 彼らは初めてデモをした。 初めてトラメガを持った、コールをした、スピーチをした。 初めて新聞やテレビに映った。 希望と呼ばれ、馬鹿と呼ばれた彼らは、なぜ行動を起こしたかのか。「私」には何ができるのか。 これはその闘いと葛藤の軌跡である。
どっきょ
BOOK'S SELECTION
権利のための闘争
イェーリング 著; 村上淳一 訳
岩波文庫
1982年
“具体的な権利は抽象的な法から生命と力を受け取るだけでなく、抽象的な法にそのお返しをするのである。” ——— p.80
個人的に「権利」は、「法律によって決められた抽象的なルール」というイメージだった。実体のない、空っぽな理念 だと。本書を読んだ。その実体なき権利感覚は、自分の生活 が侵害されて、ようやく身体に刻まれるのだと。他者の不当な介入への怒り、苦しみの感情がその兆候であると。そして、 理念は市民が現状を認識しようとする意思から初めて生まれるのだと。空虚な「権利」という言葉に価値を与えるのは、 紛れもなく当の僕自身だったのだと学んだ。
Dai
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