“亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に”——— p.141
あの日失われた多くの命。 私たちはもう彼ら彼女らには出会えないのだろうか。 何事もなかったかのように暮らしてゆかねばならないのだろうか。 そうして他愛もなく話している時、私たちはふと気づく、こうして話している言葉を彼らも彼女らもまた話していたのではなかったか。 私たちが言葉を話す、と同時に言葉が私たちを話させる。 想像せよ。耳を澄ませば聞こえるはずだ。 そして語り続けよ。 未来のために。「想—像—ラジオ—」
羽鳥涼
BOOK'S SELECTION
安倍流改憲にNOを!
樋口陽一, 山口二郎 編
岩波書店
2015年
“言葉を無意味化することによって、 権力は無限に暴走できるようになる。” ——— p.214
2015年、「積極的平和主義」「存立危機事態」「重要影 響事態」等、これらの言葉が政治の世界に渦巻き、それに呼応した市民から多くの懸念の声が上がった。なぜなら、これらの言葉が従来の用法や明確な限界を持ち得ず、時の権力によって拡大適用される恐れがあるからである。 その時流に沿って書かれた本書は、現政権の「何が問題なのか」を多岐に渡って検証しているため、今一度現状を確認するのに格好の作りとなっている。
KBTK
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