“亡くなった人の声に時間をかけて耳を傾けて悲しんで悼んで、同時に少しずつ前に歩くんじゃないのか。死者と共に”——— p.141
あの日失われた多くの命。 私たちはもう彼ら彼女らには出会えないのだろうか。 何事もなかったかのように暮らしてゆかねばならないのだろうか。 そうして他愛もなく話している時、私たちはふと気づく、こうして話している言葉を彼らも彼女らもまた話していたのではなかったか。 私たちが言葉を話す、と同時に言葉が私たちを話させる。 想像せよ。耳を澄ませば聞こえるはずだ。 そして語り続けよ。 未来のために。「想—像—ラジオ—」
羽鳥涼
BOOK'S SELECTION
現代思想の教科書 — 世界を考える知の地平15章
石田英敬 著
ちくま学芸文庫
2010年
“私たちはどのようにして「自分自身の問い」として「自分がいま生きている世界」を問うことができるのか” ——— p.16
「現代思想」。とっつきにくそうな、何から読み始めればもわかりにくいその領域に、この本は最良の見取り図を与えてくれる。いま自分が生きるこの世界で、「私」の問いを考えるための地図を。過去に先人が考え残したことをとてもわかりやすく簡潔にまとめ、その上で今、考えるべきことの方向を示してくれている。 この世界で生きることは勿論混沌に満ちていて、わからないことばかりだ。それでも、「考えること」は世界に形を見つけ、まだ一歩進ませる力を与えてくれる。その、始まりの一冊。
JGJ
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