“すべての動物は平等である。しかしある動物は他の動物よりももっと平等である。”——— p.161
主にスターリン体制をモチーフとして、全体主義や独裁のように、権力が暴走して行く様子が寓意的に描かれている。 この「おとぎばなし」に登場するあらゆるものについて、我々は実際に人類が経験してきた具体的な事件や人名を思い浮かべることができる。 読むに従い、権力の暴走を許しているものが常に、その権力によって支配される動物たち自身の無知であり、鈍感さであり、無関心であることに気付かされる。 大衆としての彼らの姿に身につまされる。
黙字
BOOK'S SELECTION
他者の苦痛へのまなざし
スーザン・ソンタグ 著; 北條文緒 訳
みすず書房
2003年
“あなたたちには理解できない。あなたたちには想像できない。” ——— p.127
日々膨大に流れる言語や写真、映像の情報を介して得る「他者の苦痛」。それらを目の当たりにし、反戦と平和、貧困や格差の是正、差別の撤廃を叫ぶ人々。そして目や耳を塞ぎ、傍観し、無用な批判や罵声を発する人々。けして誰も本当にはその苦痛をわかりはしない。本書は訴え、呼びかけ、問うている。私たちの失いかけた感受性を、想像力を、注意力を再び取り戻し、現状に抗い続ける意志を絶やしてはならない。いま、スーザン・ソンタグのいうラディカルの意味を自らに問い直したい。
ゆいぽよ
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