“大きな人間を引っくり返すのは、小さな人間です。”——— p.235
世の中は絶えず、世直しをしていかなければならない。 その世直しをするのは、「小さな人間」だ。 小さな人間とは、「デモクラシー」の語源「デモス(人々)」のことである。 この本は、小田実の晩年の講演、未完の小説「トラブゾンの猫」、鶴見俊輔の講演、架空対談を収録している。 「大きな人間」の横暴を是正し、社会を手入れしていく「小さな人間」の営みが、未来をつくる。 ただの選挙主義ではない民主主義の中身を、豊かにイメージさせる言葉が詰まっている。
かりん
BOOK'S SELECTION
反貧困 — 「すべり台社会」からの脱出
湯浅誠 著
岩波新書
2008年
“貧困は自己責任ではない。貧困は、社会と政治に対する問いかけである。” ——— p.220
貧困は、自己責任という言葉で語ることのできない問題で ある。自由に未来を選択できる状況の中で、自分の選択に対 して責任を持つことは当然だ。しかし、貧困は違う。誰が望 んで進学をあきらめるだろうか。誰が望んで奨学金を借りる だろうか。生活困窮者支援の現場で戦ってきた著者は、この 国に広がる貧困問題の原因を統計と経験から論じ、政府がしばしば口にする自己責任論を丁寧に論駁する。貧困問題を一 から学び、具体的な解決策を知るための一冊。
ともか
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