“つまり、優れた運営の公共図書館は、地域のソーシャル・キャピタルを豊かにする場所なのである。”——— p.108
情報なんてググれば簡単に出てくるし、わざわざ本を読みに図書館行くぐらいならもっと楽しいことが世の中にはいっぱいある。 では、なぜ図書館に人々が「集まる」ことが大事なのか。 本書では、図書館がこれから求められるのは「屋根のある広場」としての機能である、と述べられている。 民主主義はいつも広場から始まった。 しかし今や人々が自由に気楽に集まれる場所が減ってきている。そんな中で、図書館の役割が改めて問われている。
まっしゅ
BOOK'S SELECTION
物騒なフィクション — 起源の分有をめぐって
フェティ・ベンスラマ著; 西谷修訳・解説
筑摩書房
1994年
“そこかしこで人はこぞって声を張り上げた。だって、たかがフィクションではないか、と。” ——— p.34
チュニジア出身の精神科医で、現在パリⅦ大学教授の著者によってこの本が書かれたのは1994年。しかし2016年の今、ここに記された問題は一切古くなっていない。単なる「文学的フィクション」や「表現の自由」がなぜイスラームと衝突するのか。「西洋VSイスラーム」という単純な図式ではなく、両者が拠って立つ「テクスト」という概念に着目して描かれるこの本は、シャルリ・エブドを嚆矢とする「テロ」事件、そして「原理主義」そのものを考えるために今こそ復刊され、読まれるべき本だ。
JGJ
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