“僕を信じて付いてきた、あのニワトリを守り切れなかった。”——— p.228
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』は、盧溝橋事件の年に出た。 軍国主義が社会を覆い、言論が弾圧されていくなか、子どもたちに向けて計画されたシリーズの一冊だった。 この命がけの「君たちは、どう生きるのか」という問いを、著者は現在のなかに受けとめ、 「僕は」「僕たちは」という主語を置いた。性暴力、個と集団、兵役拒否、開発と自然破壊などを織り込み、自ら魂を殺害し戦争に適応する人間の姿を丹念に捉えた。70年前と今が鮮やかに繋がる。
かりん
BOOK'S SELECTION
公衆とその諸問題 — 現代政治の基礎
ジョン・デューイ 著; 阿部齊 訳
ちくま学芸文庫
2014年
“私たちは、受け入れるべきひとつの事実として、関係という事実を手にしたまま相変わらず出発点に立っているのである。” ——— pp.32-33
本書は、教育学者・哲学者として有名なジョン・デューイの国家論・民主主義論の代表的な一冊と言えるものである。 私たちは「国家」を語る時、その起源や本質を求めがちだ。しかしデューイにとってそれは、単一の起源や本質からでなく、人と人との「結合」、繋がりから国家を構想することだった。そして、しばしば問題視される「公衆」の「没落」についてのデューイの答えは、「もっと民主主義を」。今ここ、私たちから民主主義を始めよう。
SOB
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