“僕を信じて付いてきた、あのニワトリを守り切れなかった。”——— p.228
吉野源三郎『君たちはどう生きるか』は、盧溝橋事件の年に出た。 軍国主義が社会を覆い、言論が弾圧されていくなか、子どもたちに向けて計画されたシリーズの一冊だった。 この命がけの「君たちは、どう生きるのか」という問いを、著者は現在のなかに受けとめ、 「僕は」「僕たちは」という主語を置いた。性暴力、個と集団、兵役拒否、開発と自然破壊などを織り込み、自ら魂を殺害し戦争に適応する人間の姿を丹念に捉えた。70年前と今が鮮やかに繋がる。
かりん
BOOK'S SELECTION
独立国家のつくりかた
坂口恭平 著
講談社現代新書
2012年
“路上生活者たちは単純に「生きるとは何か」について考えた。それは今では哲学と呼ばれているようなことかもしれない。” ——— p.43
「現実的に考えろ、食えなくなるぞ」 ―ならば実際に考えてみよう。 あなたは素っ裸で東京のど真ん中に放りだされてしまった。 さあ、どうしよう。 死ぬしかないのか。 しかしあなたはきっと考える。 「どうやって生き抜こう」真の思考の始まりだ。 段ボールは家の材料になる。 プラスチックケースはお風呂だ。 路上で暮らす人々は実際そうやって生活してきた。 彼らは生きる知恵を持っている。 でも私たちだってそんな知恵を持っていたはずだ。 布団が秘密基地だった、ビー玉が宝石だったあの頃。
羽鳥涼
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