“心は、なにものにもへだてられることなく、ほかの人の心にまでとどきます。”——— p.4
戦地から離れて過ごしたミリーにとっての三日間は、戦地に残った母の過ごした30年間だった。 私たちは偶然にも1日を1日とし、1分を、1秒を、誰に奪われることなく生きることのできる場所で過ごしている。 あなたが愛する人と食事をし、笑い、眠りに就くまでの一日を、同じ命として生き残るために秒針が一つ先へ進む86400回分、命がけで過ごしている人たちがいる。 どこかでそれを知りながら、私たちはまた今日「一日」を過ごしている。
紅子
BOOK'S SELECTION
職業としての政治
マックス・ヴェーバー 著; 脇圭平 訳
岩波文庫
1980年
“どんな事態に直面しても「それにもかかわらず (デンノッホ)!」と言い切る自信のある人間。 そういう人間だけが政治への「天職(ベルーフ)」を持つ。” ——— p.106
本書はヴェーバーが1919年に青年たちに行った講演をまとめたものである。当時の青年たちは第一次世界大戦後という混迷の時代の中で、新たな「指導者原理」や世界観を渇望 していた。しかしヴェーバーは直接的な答えは示さず、政治とは何かを語り始める。政治行為の原動力は権力(暴力)である。ゆえにそれを行使する政治家には倫理が必要になる。 情熱と判断力を合わせ持ち、何があろうと責任を引き受け、 決して挫けない人間こそ、政治へのベルーフを持つ。
大庭
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