“――日本が敗けよった、言うたんやい。 ――どアホ。”——— p.477
1941年から敗戦までの、少年・洋の物語。 父を失った彼を見守るのは、元やくざの佐脇さんだ。 軍国主義の日本は「皇国の勝利のため、国民は皆、皇兵」という空気だが、少年の頭にさかんに明滅する広告の文言は「頑張るぞ、今年も!決意の戦場に仁丹あり」「逞しく玄米を噛みしめませう-歯を丈夫にするライオン歯磨」というばかばかしさ。 が、その軽さには、私たちも覚えがある。 小説だからこそ明確に伝わる軍国主義社会での細かな日常。 大阪弁が魅力的。
これつ
BOOK'S SELECTION
切りとれ、あの祈る手を — 〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
佐々木中 著
河出書房新社
2010年
“何も終わらない、何も” ——— p.170
「革命の本体は文学である」 このことを、人生でもって示した偉人たちの五つの夜話。 彼らの長い闘いの記憶は、ある一人の男によって編集された。 突如、公に姿を現せた謎の作家、佐々木中だ。作中に登場するルターや、ムハンマドなど、彼らの革命の「祈り」は、彼らにとって知る由もなかったこの作家によって、 僕らに届けられた。 ならば、現代はどうか。答えは次の文に如実に表されている。 「取りて読め。 筆を執れ。そして革命は起こった。」
Dai
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