“核兵器は、国際法で禁止されていない唯一の大量 破壊兵器である。”——— p.16
核兵器は最も非人道的な大量破壊兵器だ。しかし、そんな兵器 が現在も世界に 1 万 5 千発以上存在している。ヒロシマ・ナガサキの経験をもつ日本政府は「核兵器廃絶」を訴えながら、一方で国 際的な動きである「核兵器禁止条約」には消極的だ。核兵器を是認するリアリストはこう言う―「抑止力として核は必要で、禁止条約は時期尚早でありユートピア主義だ」と。本当にそうだろうか? 国際 NGO の現場で運動を続けてきた作者が「核なき世界」への “現実的” な道筋としての核兵器禁止条約を説明する。
斎藤雅史
BOOK'S SELECTION
物騒なフィクション — 起源の分有をめぐって
フェティ・ベンスラマ著; 西谷修訳・解説
筑摩書房
1994年
“そこかしこで人はこぞって声を張り上げた。だって、たかがフィクションではないか、と。” ——— p.34
チュニジア出身の精神科医で、現在パリⅦ大学教授の著者によってこの本が書かれたのは1994年。しかし2016年の今、ここに記された問題は一切古くなっていない。単なる「文学的フィクション」や「表現の自由」がなぜイスラームと衝突するのか。「西洋VSイスラーム」という単純な図式ではなく、両者が拠って立つ「テクスト」という概念に着目して描かれるこの本は、シャルリ・エブドを嚆矢とする「テロ」事件、そして「原理主義」そのものを考えるために今こそ復刊され、読まれるべき本だ。
JGJ
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