“日本の援助は、警戒感を与えず「誠意」として根付いている。9条のおかげかどうか知らないけど、日本の人畜無害性みたいなもの、それをもう少しポジティブに利用できないかな”———p.340
伊勢﨑賢治さんは国連の職員として、紛争処理や武装解除に当たっていたという経験を持つ。この本ではそんな著者の経験 から、どのように武装解除や紛争処理はなされるのか、実際の状況はどのようなものか、国連やアメリカの現場での本音などがつまびらかに、平易な言葉で語られている。またその上で、 九条を保持し、唯一の被爆国である日本だからこそできる国際貢献の形が示されている。高校生に対しての講義録であるため 読みやすく、幅広い視点をも含んだ実の詰まった良著。
幸子
BOOK'S SELECTION
〈私〉時代のデモクラシー
宇野重規 著
岩波新書
2010年
“あなたは、誰と一緒に < 私たち > を形成していますか。” ——— p.X
現代では社会関係の唯一の起点が〈私〉になっている。 〈私〉は一人ひとりが強い自意識を持つ。しかし、社会全体としてみると似通っていて、誰一人特別な〈私〉はいない。 どこかで不安や不満を抱えている〈私〉と、路上で声をあげ る〈私〉。立場や理想の違いを越えて〈私〉同士が出会い、 〈私たち〉の輪を広げる努力をすること。求められる民主主義のかたち。政治哲学の研究者である著者の、〈私〉と政治 を結びつける新しい回路を模索する一冊。
藤木耀
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。