“そしてどうせなら、安全な国で、全ての子ども たちが質の高い教育を受けられる国で、子どもを育ててみたいと思わないだろうか。”———p.88
「#保育園落ちたの私だ」というハッシュタグが話題になりました。少子化という現実があるにも関わらず、今の日本は明らかに子どもを産みにくく、育てにくい国となっています。 本書は少子高齢化や子育て支援、生活保障をめぐる、 驚くほど真っ当な入門書です。これまで私たちの社会は、 子育ての責任の多くを「お母さん」に押し付けてきました。 本書を読めば、子育てこそ、重要な政治的課題であること に気づくはずです。
SOB
BOOK'S SELECTION
戦争は女の顔をしていない
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 著; 三浦みどり 訳
岩波現代文庫
2016年
“伝えなければ。世界のどこかにあたしたちの悲鳴が残されなければ。” ——— p.480
第二次世界大戦時、ソ連では百万人を超える女性が従軍し、 後方部隊のみならず兵士として武器を手に闘った。しかし戦後、彼女たちは黙秘した。理屈や祖国の英雄的歴史として戦 争を語る男たちと違い、女たちは個人的で内的な体験や記憶として戦争を語る。そしてそれは、聞くに値しないものとさ れてきた。著者は、女たちの語る生の声を術として、戦争の暗闇の中に人間の本性を掴みとり、突きつけた。2015 年、 その仕事はノーベル文学賞を与えられた。
かりん
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