“生活保護 ―「命を守る最後の砦」...その現 場で今自分は、仕事をしているんだ―”——— 1 巻 p.62
生活保護をテーマに、ケースワーカーの視点からそのリアルを描いた漫画。保護対象はただのだらしない人?届け出な しに働いた高校生のバイト代は?言い訳して働かない奴は許せない?家族に頼れない事情がある?経済的にも、人間関係的にも貧困に陥った人の「最後の砦」、生活保護。 6 人に 1 人が相対的貧困にあるといわれる現在、その砦に押し寄せる人々の「生」は私たちの日常とどこかリンクする。現役ケー スワーカーもお薦めの 1 冊。
大澤 茉実
BOOK'S SELECTION
被抑圧者の教育学
パウロ・フレイレ 著; 三砂ちづる 訳
亜紀書房
2011年
“抑圧者、被抑圧者、双方の人間性を回復しようとするとき、その闘いは意味をもつ。” ——— p.23
第三世界で識字教育を行ったパウロ・フレイレの代表作で ある。生活保障の分野で 1 冊と言われ、まずこの本を思い浮かべた。 1968 年初版の本書における被抑圧・抑圧の関係は、 現代を生きる私たちにあまりに身近だ。社会制度に変革が求められるとき、私たちはこの社会の抑圧者として、あるいは被抑圧者としてどのように現実を告発する言語・思考を獲得すべきか。いずれにせよ、それは果てしない人間化のための 闘いであり、本書はその指南書である。
大澤 茉実
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