“光が強ければ強いほど影の色が濃くなるように、 日米安保の黒い影は、沖縄の米軍基地の周囲で大きく広がっている。”——— p.27
戦後、特に1972年に日本国憲法が適用されてから、沖縄は 「日本国民」に問い続けている。平和的生存権、所有権、環境権、思想・良心・宗教の自由、学問の自由、地方自治…… これら憲法に書かれている文言を。本書は沖縄の現実と日本国憲法との狭間を照射し、そのズレを浮き彫りにする。それは沖縄だけに留まらない普遍性を持つ。歪みながら癒着する 「憲法体系」と「安保法体系」。この二つの法体系を持つ国 に生きる者が、現実を直視し応えるための一冊。
元山仁士郎
BOOK'S SELECTION
現代思想の教科書 — 世界を考える知の地平15章
石田英敬 著
ちくま学芸文庫
2010年
“私たちはどのようにして「自分自身の問い」として「自分がいま生きている世界」を問うことができるのか” ——— p.16
「現代思想」。とっつきにくそうな、何から読み始めればもわかりにくいその領域に、この本は最良の見取り図を与えてくれる。いま自分が生きるこの世界で、「私」の問いを考えるための地図を。過去に先人が考え残したことをとてもわかりやすく簡潔にまとめ、その上で今、考えるべきことの方向を示してくれている。 この世界で生きることは勿論混沌に満ちていて、わからないことばかりだ。それでも、「考えること」は世界に形を見つけ、まだ一歩進ませる力を与えてくれる。その、始まりの一冊。
JGJ
POST(ポスト)は、様々なかたちで日本の政治や選挙について考えるきっかけを提供するウェブサイトです。