“夢想であると嘲られ、蔑まれた議論が「現実」の問題点を明らかにし、「現実」の立っている基盤がはらむ問題点を掘り出してきたのではなかったろうか。”——— pp.97-98
いくつもの流れを捉え、線として9条を見る。9条に現れている平和思想は戦後に生まれたポッと出の理想なんかではない。いくつもの思想と運動と戦争で失われた命への反省のなかから、具現化された結晶なのだ。そういった思想がとてももろいことを歴史が証明していることに気付くのと同時に、 その思想の緻密さとそれを育んだ人々の努力にも気付く。そしてまた問われる。どのように私たちがこの思想を発展させ、 後に生きる人に引き継ぐのか。
いたる
BOOK'S SELECTION
[新訳・評注]歴史の概念について
ヴァルター・ベンヤミン 著; 鹿島徹 訳・評注
未來社
2015年
“わたしたちにはかすかなメシア的な力が付与されていることになる。過去はこの力が発揮されることを要求しているのだ。” ——— p.46
ナチスに追われ亡命していたその危機の中で、「歴史」につい て書き残されたこの著作を戦後71年目のこの国でいま、この時 に読むこと。それは現在の時が危機にある時には「過去」もまた 危機にあり、そしてそれを救うことが出来るのもまた「いま」に いる「わたしたち」だと、気づかせてくれることだ。「歴史修正主義」 と言われる政治状況に対して、わたしたちは過去に、歴史に対し てどう向き合って行くべきなのか。その強いヒントをこの一冊は、 素晴らしい、真摯な訳と共に与えてくれる。
平葉
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