“夢想であると嘲られ、蔑まれた議論が「現実」の問題点を明らかにし、「現実」の立っている基盤がはらむ問題点を掘り出してきたのではなかったろうか。”——— pp.97-98
いくつもの流れを捉え、線として9条を見る。9条に現れている平和思想は戦後に生まれたポッと出の理想なんかではない。いくつもの思想と運動と戦争で失われた命への反省のなかから、具現化された結晶なのだ。そういった思想がとてももろいことを歴史が証明していることに気付くのと同時に、 その思想の緻密さとそれを育んだ人々の努力にも気付く。そしてまた問われる。どのように私たちがこの思想を発展させ、 後に生きる人に引き継ぐのか。
いたる
BOOK'S SELECTION
明かしえぬ共同体
モーリス・ブランショ 著; 西谷修 訳
ちくま学芸文庫
1997年
“共同体は至高性の場ではない。それはおのれを露呈しながら他を露呈させるものである。共同体は、それを締め出す存在の外部を内に含んでいる。” ——— p.34(※「外部」に傍点)
生きるということ、死ぬということ。 とても個人的なことに思える。 私の生を、私の死を、誰も代わってはくれない。 しかし果たして、私は独り死ぬことができるだろうか。 「私は死んだ」と言える人間はどこにもいないはずだ。 私はせいぜい他者の死に立ち会うことしかできない。「私が考えることは自分独りで考えたものではない。」こう言ったバタイユのことを考え続けたブランショ。 そのブランショを考え続ける私とは。 まさにここに共同体は出来する。
羽鳥涼
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