“ 他者と彼/彼女によって生きられる「世界」は ユニーク(他にないもの)であり、その「世界」は私たちが共有する世界から失われてはならない。” ——— p.119
「自由である」とはどういうことなのか。本書は、自由を個人 的な問題ではなく、他者との<間>にある問題だと位置づける。 まず近代における自由の議論から遡り、現代において自由がどう論じられているのかを説く。そして、自由と安全、自由と公共性など、現代において衝突、混合する概念を検証する。末尾には基本文献の紹介もあり、あなたが掘り下げたいことを深め る用意もできている。名ばかりの「自由」がはびこるこの社会 で、自由について改めて考えるための一冊。
元山仁士郎
BOOK'S SELECTION
[新版]ブランドなんか、いらない
ナオミ・クライン 著; 松島聖子 訳
大月書店
2009年
“もうひとつの世界の実現をめざす私たちは、自分たちが決して敗北者ではないことを知るべきだ。” ——— p.426
低賃金での労働、不安定な雇用契約、容赦のないリストラ……莫大な利益をその懐に流し込もうともくろむ企業らは、自らの利益追求のためならその手段をいとわない。わたしたちの生活の隅々にまで入り込んでくるブランド(企業)が、わたしたちの世界をいかに巧妙な手口を用いて奪い去っているかをこの本は教えてくれる。同時に、わたしたちがそうして広がる魔の手に対して無力なのではないこと、どう抵抗し、闘ってゆくべきかを示してくれる。
ゆき
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